しょうがくせいの小論文

しょうがくせいのような小論文を書きたいと思います。よろしくおねがいします。

優先座席の廃止について

[課題文1]

 新聞の報道によると、京阪神地方のある電鉄会社では、今年から、お年寄りや体の不自由な人のための「優先座席」を廃止することに決定しました。それには、「すべての座席が優先席であってほしい」という会社側の願いがこめられているそうです。この決定について、あなたはどう思いますか。今の日本で、高齢者や障害者が置かれている状況を考えながら600字前後で論じなさい

(東京・富士見丘女子高校)

(参考文献:勉強法が変わる本 市川伸一著 岩波ジュニア新書)

 

[かいとう1]

 私は、優先座席を廃止することに反対である。その電鉄会社は、優先座席を廃止することで、一般の席を譲ってくれるお客さんが増えると考えているかもしれないが、私はそうはならないと考える。

なぜなら今の日本の現状で、電車で席を譲る人たちはごく一部であり、優先座席を廃止したところで大きく改善されるとは考えにくい。

 また高齢者や障害者が立ったまま電車に乗ると、走行中に揺られるなどして転倒し怪我をするリスクが高まる。そのため、そのような方々には優先的に席を確保し、健常者が立つ方が社会全体で見て、遥かにリスクが少ない。そもそもそういう理由で優先座席が作られたのではないだろうか。

 そこで私の考えはこうである。

 優先座席の数を2〜4倍ほど増やし、一般の座席の間に入れ込むという方法である。

優先座席の数を増やす理由は、そもそも高齢化社会と言われながら優先座席が圧倒的に少ない。

4人に1人が高齢者であり、その割合は25%にもなるのに、私が知る限り優先座席は全体の10%程度である。

 そして、一般の座席の間に入れ込む理由は、一般の人々が優先座席を常に意識することに繋がる。

現在、優先座席の位置は、車両の端に固まって決められている場合が多い。これだと優先座席が除け者のような扱いであり、一般の人の意識もあまり向かない。仮に優先座席から遠いところに乗ってしまうと、中での移動も一苦労である。

 そのため優先座席を散らばせておくことで、アクセスしやすく、一般の人々も譲るという行為を意識しやすい環境となり、その結果譲るという文化が出来上がると私は考える。